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水無月神経衰弱のススメ

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京都ビザール

梅小路ポテル京都が運営する観光メディアサイト『ポmagazine』で、2022年に公開された記事「【水無月44種食べ比べ】京都人の『水無月』への情熱は異常らしい」が発端となった本記事。

毎年6月、京都高島屋が配布する両面びっしりと水無月が並んだチラシをきっかけに、京都で販売されている「水無月」を44種類買い集め、ひたすら食べ比べるという企画で、その“異常な”情熱への反響や、毎年の水無月選びに役立つという声も多く寄せられた。

本記事とあわせて、ぜひそちらも読んでみてほしい。

食べ比べだけでは飽き足らず、思いつきと勢いで「水無月神経衰弱」が誕生した。

水無月がプリントされた三角形のカードが全部で44ペア。豆の微妙な色や形、大きさを見極めてペアを揃えるのだが、素人目にはすべてほぼ同じに見えるというこのゲーム。つくってしまったからにはやるしかないので、ここからは水無月神経衰弱に奮闘する様子をお届けします。

そして我こそはやってみようという物好きな方は、ぜひデータのダウンロードを。

参加者:

【第1回 水無月神経衰弱大会のお誘い】という奇妙なメールに反応してくれたのが、こちらの3人。

ライター・かがたにのりこさん

水無月の44種食べ比べを行った張本人。最近では「水無月の人」として認識されることもあるとか。

ライター・市野亜由美さん

かがたにさんのライター仲間で食べ比べにも助っ人参加された隠れ水無月マニア。

亀屋良長  吉村由依子さん

京都の老舗和菓子店・亀屋良長の女将であり、大ヒット商品「スライスようかん」の生みの親(まさか参加いただけるとは)。

水無月のビジュアル圧に戸惑う序盤、「もう無理だ……」嘆きとともに新ルールが成立した中盤、そしてもはや神経衰弱ですらなくなった終盤……。はたして、この無謀なゲームをクリアすることが出来たのだろうか。

かがたに(K)、市野(I)、吉村(Y)

水無月の圧にどよめきつつ、ゲームがスタート。

K:「見渡すかぎりの水無月……。めくっても、自分がこれが正解だと見破れるのだろうかっていう。」

I:「絶対瞬時にわからないよね。正解ってわかるまで時間がかかりそう。」

I:「あ〜違う。どうやって覚えたらいいんやろ。でもなんかこの子だけは取りたい(笑)。」

Y:「カードの向きが変わると、まったくわかんなくなりますね。」

K:「終わりくんのかなってちょっと思ってるっていう(笑)。」

K:「これ、一度に4枚くらいめくれたらいいですよね。2枚だともう限界だ。」

4枚めくりルールの誕生。

一同:「そ、揃った〜〜!」

I:「もうね、別に誰が勝つとかじゃなくて、みんなを応援してますもん。」

K:「これは『紫野源水』ですね!」

I:「すごーい。透き通ってる!」

K:「ちょっと高得点になります?」

(一戦目を終え)

Y:「これ、水無月をあんまり食べたことない人からすると全部同じですよね(笑)。」

I:「“右肩潰れ”とか“ぼんやりさん”とか、勝手にあだ名をつけて覚えてました。」

K:「これ、ババ抜きとかどうだろう?」

ここから急遽、水無月ババ抜きがスタート。

Y:「ババ抜きの方がストレスはないですね(笑)。神経衰弱をやったおかげでちょっとなんか見る目が養われてる気がします。」

みんなに笑顔が戻った。

(ひと通りゲームを終え)

I:「季節外れだけど、水無月が食べたくなりました。」

K:「私は冬でも食べます。夏に食べきれなかった水無月を冷凍しておいて、肌寒くなったときにチンして朝ご飯に。」

一同:「へぇ〜!(さすが水無月マスター)」

想定外の遊び方が誕生した水無月神経衰弱会もお開き。

I:「各カード4枚ずつ作ったらポーカーとかもできるのかな。」

K:「あとはパッケージですね!お菓子箱みたいな箱にちゃんと詰まってるとか。」

Y:「商品化も夢じゃないですね。」

まだまだ会議は続く……。

水無月神経衰弱 ダウンロードデータ

※A3用紙に両面印刷を推奨

企画編集:合同会社バンクトゥ(光川貴浩、河井冬穂、早志祐美)