誠光社

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Album 石間秀耶写真展

Album 石間秀耶写真展

2023.10.16 ー 10.31

終了しました

団地を離れて8年が経つ。

数年前から頻繁に近所の団地まで散歩するようになっていた。乾いた空気に夕暮れ時の匂いが混じっていた。目の前に建つ団地は、いつの日か忘れてしまう断片的な記憶のように寂しげに見える。

頭のなかに流れる記憶に身を委ね、反芻させた。

川沿いを通り抜けて団地へと入る。

外壁に削って描いた落書き。壁についたサッカーボールの跡。通り抜けられるようにこじ開けた金網。跡形もなくなった秘密基地。公衆便所のヒビ割れたガラス。公園の山に掘った窪み。

小さな国で過ごした形跡に一つ一つ印をつけるように写真を撮った。

 

『Untitled 01_Hideya Ishima/Album』

写真家石間秀耶による団地をテーマとしたシリーズ「Album」を収録したアートブック。石間にとって団地は、幼少期から思春期に至る18年間の記憶の象徴として存在する。散歩をする中で見つけた団地をシャッターによって切り取るとともに、団地に住んでいた頃の記憶の数々がメモに記された。本書は、写真、論考、団地に生きる人々の断片的記憶から構成される。出版レーベルChuchichäschtliによって任意に解釈された石間作品は、団地をめぐる数多の個人史と絡み合い、平準化された空間が一方で持つ豊かな想像力を明らかにする。展覧会の巡回が続く限り、団地をめぐる個人史は収集され、この本もまた記憶の集積・再生装置として機能する。

編集:鯉沼晴悠、石川宝[Chuchichäschtli]

ブックデザイン:貞雄大[Chuchichäschtli]

製本:ペーパーファスナー綴じ

印刷:リソグラフ、レーザープリント

頁数:写真78頁、テキスト可変

判型:B5変形(193×278×15mm)

発行年月日:2023/05/03

エディション:300部

Chuchichäschtli

編集と執筆を担当する鯉沼晴悠と石川宝、グラフィック・デザインを担当する貞雄大による京都の出版レーベル。「解釈することの創造性」をテーマに、美術、デザイン、建築、音楽など数多のジャンルの表現や事象の接続と再文脈化を通してオルタナティブな価値形成を目指す。2023年5月、写真家石間秀耶による団地をテーマとしたシリーズ〈Album〉を収録した『Untitled 01_Hideya Ishima/Album』を刊行。

  • 石間秀耶 | Hideya ishima

    1997年生まれ。独学で写真を学んだ後、ノンバイナリーである自身をテーマにしたポートレートシリーズを発表。2021年、映画作品と共同制作した写真集『ONOMICHI』を自費出版。2023年、出版レーベルChuchichäschtliより〈Album〉を収録したアートブック『Untitled 01_Hideya Ishima/Album』を刊行。2022年、〈ONOMICHI〉 清里フォトミュージアム 収蔵。

開催日
2023年10月16日(月) ー 10月31日(火)