誠光社 SEIKOSHA

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other mementos

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幸本紗奈写真展

終了しました

手焼きのプリントに浮かびあがる、価値づけしづらい美しさ。

幸本紗奈は1990年広島生まれ、現在は、東京で活動する写真家です。第19回写真「1_WALL」の
ファイナリストに選ばれるなど、これからの活躍が期待される若手写真家のひとりでもあります。

幸本の写真の特徴は、その制作過程にあります。気になる対象や感覚に対して反射的にシャッターを切り、多様なイメージを集めた後に、暗室に入ってじっくりとネガを見直し、その時点で再び心惹かれるイメージだけを、時間をかけてプリントしていきます。サイズ、色、濃度を決めて印画紙に焼き付け、それを薬液に通して定着させる。この工程を試行錯誤しつつ、ひたすら繰り返すことで、撮影した物事やその時に感じた感覚と深く向き合っていくのです。

数年前のネガを掘り起こしてイメージを拾い上げることもあれば、数ヶ月前に仕上げたプリントを、色とサイズを変えて再び、焼き直すこともあります。前進と後退を繰り返しているかのようなこの作業を、本人は「ゆっくりとしか物事を考えられないので」としつつも、「時間の流れを俯瞰するため」にしているのだと話します。

そうした過程から生まれる幸本の写真には、美しさの“予感”が漂っています。現代の社会が求める「明快なコンセプト」や「印象に残るイメージ」とは逆の、ぼんやりと、曖昧で、価値づけしづらい美しさです。ゆえに、観る人の視点は自由となり、一枚の写真のあらゆる場所に、自分にとっての美しさを見出せるのではないでしょうか。

今回の展示では、初の写真集『other mementos』(Baci刊)に収録した作品を展示します。
手焼きのカラープリントの繊細な表情を、この機会にぜひお楽しみください。

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TALK EVENT

2月1日(土)19:00〜

ケーススタディとして振り返る、初めての写真集づくり
ー段取りから予算まで、他者(編集者)と本をつくるということー

昨年、初めての写真集『other mementos』を発表した写真家の幸本紗奈と、
その版元であるブックレーベル〈Baci〉の内田有佳が、
山あり谷ありだった約半年間の制作を振り返ります。

作品の選定、装丁の検討、初の印刷立会い……etc.
まったくの他人だった作家と編集者は、どのように打ち合わせを重ねたのか。

当日は、採用されなかったデザイン案や束見本も回覧しながら、
部数や予算についても、ありのままを報告します。

ひとつのケーススタディとして、どこまでも具体的なお話ができたら。
これから写真集制作を考えている方、本づくりに興味のある方、ぜひお気軽にお越しください。

  • 幸本紗奈 こうもと・さな 
  • 幸本紗奈 こうもと・さな 

    https://www.sanakohmoto.com/

    1990年広島県生まれ。2013年武蔵野美術大学 造形学部映像学科 山崎博ゼミ卒業。2018年第19回写真「1_WALL」ファイナリスト。

  • Baci   ばーち
  • Baci ばーち

    http://bacibooks.com/

    2016年よりスタートしたブックレーベル。『Casa BRUTUS』『&Premium』など、雑誌を中心にフリーランスの編集者として活動する内田有佳が立ち上げる。1冊目は安西水丸『ON THE TABLE』、2冊目は今井麗『gathering』。1年に1冊のペースでアートブックを出版。

開催日
2020年2月1日(土)ー 2020年2月15日(土)
時間
10時〜20時(最終日・イベント開催日は18時まで)