詩と人類学—アートを超えて— ふくだぺろ×川瀬慈 トーク&パフォーマンス
2019.2.2 19時〜
あいちトリエンナーレ2016、美術手帖2018年6月号特集などに代表されるように、アートと人類学の関係が最近注目されています。でも、その根幹にある詩と人類学の関係についてはあまり語られていません。人類学者であり詩人でもある人というのは、実はけっこういます。あるいはジェイムズ・クリフォードが「人類学者というのは、作家、小説家、詩人になりそこねた人たちなのです 」というとき、それはどういう意味なんでしょう?詩や美術の運動であるシュールレアリスムは人類学の運動でもありましたし、エスノポエティクスというデニス・テドロックやジェローム・ローゼンバーグが主導した運動はパフォーマンス・アートの世界とも呼応しました。『文化と真実』を著したレナト・ロサルドのアンスロポエトリーのように人類学のアウトプットとして詩を提唱する動きもあります。
イギリスのCommonword社から刊行されたふくだぺろの日本語と英語のパラレル詩集『flowers like blue glass』を記念して、今回のイベントを開きます。ゲストは日本を代表する映像人類学者であり、自作詩のパフォーマンスもする川瀬慈。それぞれの専門家としての知識と個人的な実践を通じて、詩と人類学あるいはひろい意味での芸術(制度化されたアートではなく)と人類学についてのトーク、ジャムセッションを展開します。
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ふくだぺろ/福田浩久
詩人、映像人類学者。マンチェ―スター大学映像人類学修士。立命館大学先端総合学術研究科博士課程在籍中。ルワンダの移民や少数民族がどのように現実と過去、コスモロジーを創造しているかの研究をしている。論文、映画、詩、写真 、インスタレーションといったメディアを横断して人類学と芸術に拘泥しない実践に従事する。短編小説や短編映画での受賞歴あり。最近の展示に「im/pulse 脈動する映像」(@KCUA、2018)、書籍に『flowers like blue glass』(Commonword、2018)、『ふぃっしゅのーちい』(私家版、2016)など。
(撮影:Svens Kuzmins)
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川瀬慈(かわせいつし)
岐阜県出身。専門は映像人類学。2001年より、アフリカ、主にエチオピア北部の地域社会で活動を行う吟遊詩人、楽師たちの人類学研究を行っている。同時に人類学、シネマ、現代アートの実践の交差点から、イメージや音を用いた話法を探究する。制作した映像作品は各国の主要な民族誌映画祭やドキュメンタリー映画祭において紹介されてきた。近年はアフリカのストリートで採集した音を流しながら自作の詩を朗読するというパフォーマンスを各地で行っている。近著に『ストリートの精霊たち』(世界思想社、2018年)。国立民族学博物館/総合研究大学院大学准教授。
- 開催日
- 2019年2月2日(土)
- 時間
- 19時〜
- 会場
- 誠光社
- 定員
- 30名さま
- ご参加費
- 1500円+1ドリンクオーダー
- ご予約方法
- 定員に達したため、ご予約受付を終了しました。