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〈祭り〉の後の日々を語ることについて 『小名浜ピープルズ』刊行記念|小松理虔トークイベント

〈祭り〉の後の日々を語ることについて 『小名浜ピープルズ』刊行記念|小松理虔トークイベント

2025.7.2 19時〜

 小松理虔さんは、東日本大震災以後、地元・福島県いわき市小名浜でさまざまな地域課題に取り組んできました。小名浜は津波や原発事故の直接的被害は比較的少なく、それゆえに「中途半端さ」に悶えながら活動してきたと小松さんは言います。

 震災や原発について語ることを「傷つけてしまうから」「自分よりもきつい思いをしている人がいるから」とか「よくわからないから」など、さまざまな理由から遠ざけることがあります。しかしそのことがやがて問題自体から遠ざかることにもつながるのではないか。

 本書は、震災10年以後の小名浜の人たちが、どんなふうに暮らしているのかを描写した、小松理虔さん初の人物エッセイです。登場するのは食堂のおかみさん、漁業会社の社長、移住してきたアシスタント、建設会社に勤める友人など、震災や原発事故との距離感も年齢もバラバラな人たち。小松さんは相手に合わせて問いかけ方を選び、時に「わかりあえない」こと自体に寄り添いながら、そこに居合わせ、佇んでいるようです。

 またこの本は、「小松理虔」という一人の人間が、生まれ育って今も暮らしている小名浜という地で大切にしてきたものを見出していった道程でもあります。震災や原発事故は過ぎ去ったものでなく、今もそこにある。人は人と出会い、別れ、励ましあい、また交わったりもする。どうしようもないことやわかりあえないこと、愚かなこと経験することもあります。それでもそこにある希望を見つめること。本書に登場する人々の語りは、わたしたちが希望を探るための道標なのかもしれません。

 本書で、初めてエッセイという文体で人の語りを聞き、小松さんは自らの声も絞り出します。大きな出来事が起きた直後ではなく、その喧騒の後の語りを聞くことには、どんな意味があるのでしょうか。聞き手は、ぼくみんの今津新之助が務めます。小松さんの声を聞きに来てください。

  • 小松理虔(こまつ・りけん)

    ◉1979 年福島県いわき市小名浜まれ。福島テレビ報道部記者、かまぼこメーカー広報などを経て2015年独立。小名浜でオルタナティブスペース「UDOK.」を主宰しつつ様々な分野の企画や地域のプロジェクトに携わる。18年『新復興論』(ゲンロン)で大佛次郎賞受賞。著書に『地方を生きる』(ちくまプリマー新書)、『新地方論』(光文社新書)、『新復興論 増補版』(ゲンロン)。共著に『ただ、そこにいる人たち』(現代書館)他。

  • 今津 新之助(いまづ・しんのすけ)

    ぼくみん 代表
    1976年大阪府生まれ。京都での大学生活を経て、2001年に沖縄に移住。人づくり、仕事づくり、地域づくりを行うコンテクスト・カンパニーを経営。2022年、京都に活動拠点を移し、ぼくみんを設立。分野・領域を跳び越え、多様なアクターとの対話と協働によるプロジェクト開発やチームづくり、一人ひとりの持ち味と可能性が発揮される場と仕事づくりに取り組む。2025年3月、出版レーベル「ぼくみん出版会」を立ち上げ、安達茉莉子著『らせんの日々 作家、福祉と出会う』を発刊。

開催日
2025年7月2日(水)
時間
19時〜
会場
誠光社
定員
25名さま
ご参加費
1500円+1ドリンクオーダー

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