誠光社 SEIKOSHA

京都 河原町丸太町 書店

イベント

アウト・オブ・民藝 vol.5 最終回

アウト・オブ・民藝 vol.5 最終回
「ゲテモノかハイカラか|ブルーノ・タウト、今和次郎、川喜田煉七郎の工作」と「総まとめ」

げてものの本質が手工の巧緻にあることを忘れて、むしろ細工の粗野な点やそれどころか農民或は漁師の無骨な手が作品の上に遺してゐるがさつな趣に愛着をもつてゐるのである。(…)都会人の食卓の上に見られる厚ぼつたい紅茶茶碗や珈琲茶碗は、所詮矛盾した存在である。

ブルーノ・タウト「げてものかはいからか」『アトリエ』1936年

 

僕たちもそろそろブルーノ・タウトを見習って、民藝品(とそのアウト・オブな物品たち)の「質」について考えてみたい。タウトはすべての下手物が美しく健康なわけでなく、手工的な仕事(ゲテモノ)と機械による作業(ハイカラ)のあいだぐらいが、日本の工芸品の落しどころだと考えていたようである。(タウトの講演「質の問題」より)

今和次郎はそのことにいち早く気が付いていた。1920年代に柳宗悦や柳田國男たちがさびれゆく民家や民藝品をみていたときに、農村の人たちが作ったブリキ作りのガス灯や大水のあとに川に架けられた仮設の橋などの工作物に目を向けていたのである。そして、1933年にタウトが日本にやってきた。群馬高崎を拠点に風変わりな竹製の電気スタンドや伸縮式の本立てなどをデザインし、東京銀座に「ミラテス」という工芸品店を開いている。(ちなみにタウトと今は浅草六区の遊楽街で映画や見世物小屋を愉しみ、ビールを飲み交わしながら質について話していたようだ。)

こうした二人のエッセンスをうまく取り入れたのが、川喜田煉七郎である。雑誌『建築工芸アイシーオール』では、ドイツでのタウトの動向をいち早く伝え、東京銀座でバウハウスゆずりの「新建築工芸学院」を開校した。そして、1942年に刊行した『構作技術体系』では、今の考現学を思わせるスケッチとともに構作(構成+工作)の技術を披露している。

トークでは、タウト、今、川喜田が見出した工作物を紹介しつつ、なぜ僕たちがアウト・オブな物品たちに惹かれているのかを考えてみたいです。そして、いつも一番後ろで僕たちのなかよしトークを聞いてくれていた堀部さんにも参加してもらって、アウト・オブ・民藝の「総まとめ」を三人で話し合います。

 

中村裕太・軸原ヨウスケ

               

キーパーソン

ブルーノ・タウト/今和次郎/川喜田煉七郎/柳田國男/上野伊三郎/井上房一郎/吉田謙吉/山脇巌/山脇道子/濱田増治

               

  • 軸原ヨウスケ
  • 軸原ヨウスケ

    1978年生まれ、岡山在住。「遊び」をテーマにしたデザインユニットCOCHAE(2003年ー)のメンバーでありデザイナー。伝統こけし工人とのプロジェクト、ドンタク玩具社でも活動。郷土玩具、こけしに興味を持つ。著書に『kokeshi book -伝統こけしのデザイン-』(青幻舎)2010年、『武井武雄のこけし』(pie international)2012年、『日本のおもちゃ絵 -絵師・川崎巨泉の玩具帖-』 (青幻舎)2014年など。折り紙パズル「ファニーフェイスカード」が日本グッドデザイン賞(Gマーク)2008受賞、『猫のパラパラブックス』(青幻舎)で造本装幀コンクール2013審査員奨励賞、『トントン紙ずもう』(コクヨWORK×CREATE)がグッドトイ2013選定など。近年は「岡山名物きびだんご」(山方永寿堂)などパッケージデザインを数多く手がけている。

    http://cochae.com/
    http://donduc.com

    (絵・いぬんこ)

  • 中村裕太
  • 中村裕太

    1983年東京生まれ、京都在住。2011年京都精華大学芸術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。博士論文「郊外住居工芸論―大正期の浴室にみる白色タイルの受容」。〈民俗と建築にまつわる工芸〉という視点から陶磁器、タイルなどの学術研究と作品制作を行なう。最近の展示に「六本木クロッシング2013:アウト・オブ・ダウト―来たるべき風景のために」(森美術館、2013年)、「第8回アジア・パシフィック・トリエンナーレ」(クイーンズランド・アートギャラリー、2015年)、「第20回シドニー・ビエンナーレ」(キャレッジワークス、2016年)、「あいちトリエンナーレ2016」(愛知県美術館、2016年)、「東アジア文化都市2017京都」(京都芸術センター、2017年)など。工芸を作り手の視点から読み解き、その制作方法を探るプログラム「APP ARTS STUDIO」を運営している。

    http://nakamurayuta.jp/
    撮影|表 恒匡

開催日
2018年12月21日(金)
時間
19時〜
会場
誠光社
定員
30名様
ご参加費
1500円+1ドリンクオーダー
ご予約方法
E-mail:s-contact@seikosha-books.com
(参加ご希望イベント名、お名前、お電話番号をご記載ください)

または店頭、お電話にて承ります。

ご予約は定員に達し次第締め切らせていただきます