誠光社 SEIKOSHA

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ブログ 何を読んでも何かを思い出す

2016年3月

奇妙な孤島の物語

大陸から見れば海の果てにありながら、その島に立てばそこは世界の中心である。ユートピア思想が持ち込まれることもあれば、罪人が辿り着く流刑地となることもあり、他のどの土地にも見られない新種の植物や昆虫が見つかる一方で、疫病で島の生物が全滅してしまうこともある。つまり孤島とは世界そのものの縮図である。しかし、大陸のように多様な文化は存在せず、長大な歴史もないゆえに、孤島の歴史を語ることはつまり部分的に世界を語ること、すなわちその物語は限りなくフィクションに近い手触りを持つことになる。『奇妙な孤島の物語』に収録された50もの島々の物語はまるで優れた短編小説のような趣がある。

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