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ニクソンをジャンプさせた男、フィリップ・ハルスマン。

ニクソンをジャンプさせた男、フィリップ・ハルスマン。

LIFE誌のカバーを101回も飾った、つまり商業写真の分野で当時最も成功を収めたと言い換えてもおかしくない、写真家フィリップ・ハルスマン。ラトヴィア移民としてアメリカに渡り、ポートレイトの名手として数々のセレブリティたちと交流し続けてきた彼が、1950年代に執心したのが、”JUMPOLOGY”と称される、飛び上がった姿のポートレイトシリーズだ。

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マリリン・モンロー、オードリー・ヘップバーン、ジョン・スタインベック、サルバドール・ダリ、グルーチョ・マルクス、そして当時副大統領だったリチャード・ニクソンまで、彼のカメラの前で、天真爛漫にジャンプを披露。「決定的瞬間」を写真家と被写体が共犯的に生み出しているとも言えるし、普通のポートレイト撮影では出せない偶発性をあえて生みだすための仕掛けであるとも捉えられる。とある解説では、彼が”JUMPOLOGY”に取り組んだ時期が、現代美術の世界でアクション・ペインティングが台頭してきた頃と同じであることを指摘してるが、それは深読みが過ぎるというものだ。これだけの錚々たる面々を意のままに操ることができるという、ある種成功のメタファーでもあり、写真の質うんぬんより交友録として眺めたほうが圧倒的に面白い。

それでも写真そのものの魅力は捨てがたく、ブリジット・バルドーのポートレイトなどはこの写真集に収められているものを思い浮かべる方も少なくはないだろうし、やや表情は硬いながらも嫌われ者のニクソンだってジャンプしている姿はなかなか愛嬌がある。いかにも50年代風のもっさりしたレイアウトも今となってはなかなか味わい深い。

ウィージーとかウォルター・グロピウスとかなかなか渋い面々も登場する。あなたはここに登場するセレブリティたちの名前を何人ご存知ですか?そんな楽しみ方も一興だと思う。

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